Ethereum(イーサリアム)ってどんな仮想通貨?誕生と今後について徹底解説!
ビットコインではそのブロックチェーンに取引履歴しか記録することができませんでしたが、Ethereum(イーサリアム)では取引履歴以外にも契約情報などを付与することが可能となるスマートコントラクトを実装していることが特徴です。
ビットコイン2.0とも呼ばれる新しいタイプの仮想通貨、今後の成長を考えると目が離せません。しかもEthereum(イーサリアム)はまだこれで完成ではなく、更なるアップデートを控えています。
そんなEthereum(イーサリアム)の誕生と今後について解説して参ります。
「厳密に言うとイーサリアムは通貨の名前ではなく、プラットフォームの総称です。イーサリアムの中で使われる基軸通貨がイーサと言って、価格がついている部分なのです」
Ethereum(イーサリアム)の概要
【基本情報】
名称:Ethereum/Ether
呼び方:イーサリアム/イーサ
コード:ETH
開発者:Bitalik Buterin氏
コンセンサスアルゴリズム:Proof of Work(将来的にはProof of Stake)
承認目安時間:15秒
上限発行数:未決定
「Proof of Work(プルーフ・オブ・ワーク)の部分が分かりづらいですね。マイニングによって通貨を運用していくタイプの仮想通貨だとここでは簡単に覚えておきましょう」
Ethereum(イーサリアム)の誕生
Ethereum(イーサリアム)はカナダのVitalik Buterin氏によって開発されました。すでに誕生していた他の仮想通貨はビットコインのブロックチェーンを利用していたのに対し、Ethereum(イーサリアム)は独自のブロックチェーン構築から開発がスタートしております。
「ちなみにイーサリアムの開発者Vitalik Buterin氏は2014年にイーサリアムの発明者としワールドテクノロジー賞を受賞しています」
そしてEthereum(イーサリアム)はプロジェクト開始すぐにICOと呼ばれるクラウドセールによる資金調達を実施しており、セール期間90日で16億円以上もの資金を集めることに成功しています。
「ICOというのはイニシャル・コイン・オファリングの略で、先にコインを売って資金を調達する方法です」
Ethereum(イーサリアム)の理念
Ethereum(イーサリアム)は《ワールドコンピュータ》の実現を目指しています。これはどういうものかと言うと、世界中の誰もが利用でき、政府の検閲を受けず、電力の供給があるかぎり止まることのないネットワークの作成です。
ワールドコンピュータの実現のために、Ethereum(イーサリアム)では独自の「Solidity」というプログラミング言語を導入しています。Solidityの導入により、ビットコインでは取引履歴の記録しかできなかったブロックチェーン上に、契約情報などを付与することができるようになったのが、Ethereum(イーサリアム)です。
この仕組みをスマートコントラクトと言います。
スマートコントラクトとは
Ethereum(イーサリアム)に実装されたことで、一躍脚光を浴びたスマートコントラクトですが、その誕生は少し昔にさかのぼります。1997年にNick Szabo氏が論文「The Idea of Smart Contracts」で発表しており、そこではスマートコントラクトの自動販売機の例が提示されています。
機械にコインを入れると、その金額で購入可能な商品が分かります。そしてそのボタンを押すと商品が出てくる、というのが自動販売機です。この取引の中に自分以外の人間は存在していません。これらをデジタル化し、ブロックチェーン上に記録する仕組みがEthereum(イーサリアム)のスマートコントラクトです。
スマートコントラクトが実装された理由
1997年にスマートコントラクトの考え方が発表されたときには、一つ大きな問題がありました。それは「契約情報を誰がどのように管理するのか」というものです。結局その部分が守られていないと、せっかくの契約情報も途中から変更されてしまったり、履行がおろそかになってしまうこともあります。
しかしブロックチェーン上に記録することでそのような問題は解決できます。
ブロックチェーンは書き換え不可というのが大きな特徴です。
スマートコントラクトとブロックチェーンという技術同士の融合により誕生したのがEthereum(イーサリアム)です。
Ethereum(イーサリアム)が奪われた!(The DAO事件)
実はEthereum(イーサリアム)は2016年7月にハッキングの被害に遭って、不正送金されてしまったという事件が発生しています。
詳細に関しては別の記事で紹介したいと思いますが簡単に説明すると、Ethereum(イーサリアム)のプラットフォーム上で動かしていたアプリケーションThe DAOにはプログラム上に重大なバグがありました。このバグをハッカーによって狙われて、当時の時価で43億円もの資金が不正に送金されてしまったのです。
奪われた資金を取り戻すための決断
The DAO事件を受けて、Ethereum(イーサリアム)の開発陣はある決断を行います。それは今回のハッキングをなかったことにするという方法です。
通常、仮想通貨の取引履歴というのはブロックチェーン上に記録されて、それは改ざんができません。もちろんその履歴が不正送金であってもです。
しかし実は一つだけ取引の履歴をなかったことにできる方法があります。それがハードフォークです。
禁断の裏技、ハードフォーク
ハードフォークというのは今までの取引履歴を記録していたブロックチェーンをある時点から、全く新しいものにしてしまうというものです。詳しい部分はブロックチェーンの説明の際に行います。
つまりEthereum(イーサリアム)の運営陣は、ハードフォークを行い、不正送金された事実をなかったことにするという対応で、この危機を乗り切りました。
イーサリアム・クラシックの誕生
しかしEthereum(イーサリアム)の開発陣が下したハードフォークという決断に納得をしていない人たちがいました。
本来Ethereum(イーサリアム)というのは、自律的に機能するプロジェクトとして開発されていたはず、それを開発陣の判断でハードフォークという方法をとっていいはずがないというのが、彼らの主張でした。
そしてその熱が高まって、イーサリアム・クラシックという新しい通貨が誕生しました。Ethereum(イーサリアム)のハードフォークから、枝分かれした仮想通貨です。
進化するEthereum(イーサリアム)
Ethereum(イーサリアム)はまだ完成しているわけではありません。市場や世間への浸透具合に応じて、4段階に分けてアップデートが計画されており、現在では第2段階までアップデートが完了しており、第3段のアップデートの最中です。
第1段階フロンティア 2015年7月
Ethereum(イーサリアム)における基本的な機能が実装されました。問題やバグなどを修正するのが主な動きでした。
第2段階ホームステッド 2016年3月
よりプラットフォームとして安全に多くの人に使ってもらえるような改良が施されました。
第3段階メトロポリス 2017年10月
プルーフ・オブ・ワークからプルーフ・オブ・ステークへの移行の準備、匿名性の強化などを中心に改良されました。現在も進行中です。
第4段階セレニティ 未定
より安全に多くの人に使ってもらえるようなプラットフォームを構築する予定です。このときにプルーフ・オブ・ステークへと移行します。
進化した仮想通貨、Ethererum(イーサリアム)
いかがだったでしょうか。Ethereum(イーサリアム)は現在、時価総額第2位まで上り詰めていますが、その道程は決して平坦なものではありませんでした。
しかしEthereum(イーサリアム)のプラットフォームを利用したアプリケーションは少しずつ開発されてきています。
今後も成長する仮想通貨としては、価格だけではなくその上で開発されるアプリケーションやアップデートの内容についても目を光らせておいた方がいいでしょう。
海外仮想通貨取引所を使う練習として利用してみましょう(まとめ)
QUOINEX(コインエクスチェンジ)は使い勝手の良さというより、海外取引所を使う練習として利用してみるといいでしょう。
かなりそっちよりのユーザーインターフェースやサポートなので、QUOINEX(コインエクスチェンジ)で慣れておけば、海外取引所を利用することになってもあまり戸惑わなくても済むかもしれません。